岐阜県“人間と性”教育研究協議会 (岐阜性教協) たまゆら2024年8月号巻頭言 |
スマホをずっと見ていても…。
スマホをずっと見ていても全然飽きないのですが、人の脳にはあの情報量は非常に疲れるそうです。疲労感がとれないのはスマホのせいかもしれないと思い、最近はリビングにスマホベットを作って家ではなるべくスマホから離れる時間を作るようにしています。それは最近出会った本のせいなのですが、スマホの影響ってちょっと心配らしいのです。 例えばリアルにホタルを見ているときや人と話をしているとき、もちろん画面越しではなくリアルにです。その時脳の前頭前野(やる気や興味、感情の部位)の働きが活発なのに対し、スマホやゲームをしているときの脳の働きを見ると、後頭葉(視覚とその認識をする部位)しか働いておらず、前頭前野は働かないのだそうです。そのためスマホを見ている時間が長いと前頭前野の働きが低下し、機能不全を起こすのだそうです。そのため、切れやすく感情的になりやすいのだそうです。また、嬉しいなとか面白いなと思うときに脳内物質のドーパミンが出て、例えばチョコをもらって「わぁいチョコだ!」となるのが、しょっちゅうスマホをいじって依存症のようになっていると、その刺激でドーパミン神経が強制的に働く状態が続き、神経が鈍くなってドーパミンの出が悪くなるのでそうです。そうすると、チョコをもらっても「あ、チョコね・・・。」みたいになってしまう。つまりより大きな刺激がないと楽しめないし、やる気も起きなくなる。もっと言えば幸せを感じにくくなってしまうそうなんです。そして、スマホは依存を起こしやすい。赤ちゃんにスマホに子守りをさせないでと注意喚起がされていますがそのせいです。スマホというのは極めて強い刺激で、「応答性」がある。応答性とは触るとすぐ反応があること。たとえばカエルに触ると動く、逃げる、鳴くなど反応があることは人間の興味をすごく引いて、ドーパミンがドバっと出る刺激なのです。スマホは指で操作できるので、赤ちゃんは触るとすぐ動くスマホにすぐに夢中になります。すると、すぐに反応しない「絵本」や「ぬいぐるみ」では刺激が低く、与えても泣く。スマホを見せれば泣き止む、でもスマホを取り上げると泣く。赤ちゃんはすぐに依存症になってしまい脳に大きなダメージが起こってしまうのだそうです。 脳へのダメージが少ないデジタル機器は、順にテレビやDVD→勉強だけするタブレット→デスクトップPC→携帯ゲーム機→スマホ。なのだそうです。スマホを持たせるのいつから問題は、「なるべく遅く」がいいと言います。スマホの弊害もちゃんと教えてからがいいのかなと思います。今、ゲーム依存症を疑われる生徒も増えています。ゲームを取り上げると暴れてパニックになるのです。ネット依存症の脳の損傷はコカイン依存の脳の損傷と同レベルのなだそうです。 そうはいっても生活に欠かせなくなっているスマホ。私も付き合い方を考えなきゃなと思った次第です。お酒を飲まない休肝日があるようにスマホを見ない休画面日を作らねば・・・。 今回はこの文献を参考に書かせていただきました。 「スマホを持たせるのは遅いほうがよい‐リアルで遊ぶ、心が通う。家庭でできるデジタル障害予防法‐著者:山中億良 倉石宗範」 |