岐阜県“人間と性”教育研究協議会 (岐阜性教協) たまゆら2023年2月号巻頭言 |
今年の抱負
2023年の年初めに、「今年の抱負は認知行動療法を学ぶこと、ダイエットをすること。」と家族に宣言をした私。昨年秋、自分のスキルアップのために認知行動療法の「低強度の認知行動療法的アプローチによる相談支援を行うメンタルサポート医療人」をめざして千葉大学の養成コースに申し込みをした。1年のコースなのでそれを頑張るつもりだ。私は中学校の養護教諭をしているが、メンタルヘルスの問題に直面することが多く、もう少し学校でサポートできることはないかと考えていた。リストカットがやめられない生徒や、不眠に悩む生徒、不安が強く教室に入れない生徒、統合失調症が疑われる生徒等々、保健室では対応しきれない事案も多い。医療につなごうとしても初診までに何ヶ月もかかったり、医療にかかっても薬だけの治療であったり、次の予約もなく初診で終わったりということも多くあった。まだ医療にかかることができればいい方で、気持ちの問題だから、サボっているだけだからと精神論で終わらせたい保護者や、精神科は最終手段と精神科にはかかりたくない親御さんも多いのだ。メンタルヘルスの問題はすぐに解決することは少ない。受診してアセスメントをし、カウンセリングを重ねて信頼関係を作り、必要な援助方法を考えながら必要であれば薬の力も借りて本人に寄り添う治療が必要だ。しかし、それをするには時間もお金もかかる。カウンセリングは保険診療でできないので費用もかかるし、何しろそこに割く時間がつくれない人が多い。諸外国では「心のメンテナンス」にカウンセラーの所に行ってくるというのは普通だそうだ。そんな風に日本もなればいいのになと思う。保健室で何度も話が聞ける機会があるならば、認知行動療法の技法が役に立って、少しでも心身の回復に役立てられないかと思っている。 もう一つのダイエットは息子にダイエットは去年も言っていたような・・・。と言われてしまった。今年こそはと思ってはいるものの、なかなか思うようにからだをコントールできない私。そんな平和なお正月を過ごしたのだが、年の初めに、タレントのタモリさんが黒柳徹子さんの「来年はどんな年になるでしょう」と言う問いに「新しい戦前になるんじゃないでしょうか」と答えていた。背筋がぞっとしたのを覚えている。来年も「今年の抱負」が幸せに立てられること願ってやまない。 |