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 岐阜県“人間と性”教育研究協議会 (岐阜性教協)
たまゆら2025年4月号巻頭言

平和で幸せに生きる権利を

 陽春のなか、学校や職場・地域で新しい生活が始まった方も多いのではないでしょうか。どなたも、心もからだも人間関係も豊かになる、人やできごとの出会いがあるといいなと思います。
 人は生まれてのち、親や身近な人との触れ合いで親密さ・情緒的な結びつき・喜び・優しさ・愛など人間にとって基本的な欲求が満たされることが必要とされますが、不適切な養育(マルトリートメント)に悩む人もあります。他者との関係で行き詰まったり悩んだりすることも多くあります。その方が多いのかもしれません。3/28厚労省の発表で、2024年の小中高生の自死が、過去最多529人と報道されました。何ということでしょうか。原因や動機は、「学校問題」が272件で最多(学業不振65、学友との不和60、進路の悩み51、入試関連33,いじめ9 各件等)、続いて健康問題、家庭問題とのこと。子どもたちの自死は、性的いじめや性のありように関することも多いといわれ、幼少期からの包括的な性の学びと相談できる体制の整備など、私たちおとなのありかたが本当に大きいと思います。地震災害など人間の力が及ばないもの以外、人為的なことはまた人間の力でなんとか対応していけるのでは、いかなければ・・・と思うのです。

 私たちが学ぶ性のありよう(セクシュアリティ)は生涯にわたり、選択的夫婦別氏(姓)制も、同性婚を含めた法律婚選択の自由も、自認する性で生きたい人も、人の数だけあるセクシュアリティを生きる誰もが、自分の生き方を選択できるようにと思います。そのどれもが人権上当然のことで、人権とセクシュアリティと生活が保障される社会になれば、幸せに生き、より力を発揮できる人が増えることになります。同性婚訴訟は3/7名古屋高裁、3/25の大阪高裁とも「認めないのは違憲」で、全国5高裁(その他 札幌、東京、福岡)いずれも「違憲」との判決でしたし、性自認をめぐる裁判も人権の視点での判決が続き、あとは政策を変えるのみです。また、性虐待・性暴力事件なども連日報道され、ディープフェイクの報道もありました。それらに抗い、人権を尊重し対等な人間関係を形成する社会にするために、性の健康・幸福・快楽などのポジティブな視点をもとにした『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』の包括的性教育を政策化する立法・行政府にかえ、子どももおとなも、人間関係の学びに取り組むことが重要ではないでしょうか。

 政治経済の悪化と「専制と隷従等の過去」に巻き戻されそうな動きのなか、私たち一人ひとりの「科学・人権・自立・共生」の意識と行動が、平和な社会・世界にむけいっそう大切になっていると思います。自身の「健康・友好・平和」が理念の健康運動「動禅」の太極拳も拡げながら、目の前の一つひとつの課題に微力を寄せたいと思います。
〈「世界幸福度ランキング2025年版」フィンランド8年連続1位BBC NEWS JAPAN が、https://www.bbc.com/japanese/articles/cpq28dzx7j3o でみられます、よかったら。〉