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 岐阜県“人間と性”教育研究協議会 (岐阜性教協)
たまゆら2020年6月号巻頭言

2020年度の私たちの活動と「新型コロナ感染症問題」

 会員のみなさま、お変わりなくお過ごしでしょうか?
 今を生きている私たちにとって、本当に初めての事態ばかりが続いています。
 新型コロナウイルス感染症は、今年1月初め中国からのニュースで、以前のSARSやMERS程度かな?と楽観していたところ瞬時に世界に感染が拡大し、日本も含め世界中の人のいのちと暮らしを直撃しました。犠牲者や感染者が増え続け、これまで予算や規模が縮小されてきた保健、医療、福祉、教育など最も人同士の密接な関係が大切な現場に困難と疲弊が、経済活動停止に伴う暮らしといのちへの危機が、感染者や社会的弱者に、そしてそれを支えている関係者により強く重くのしかかっています。子ども、若者たちの学びや遊び、育ちあう権利がおびやかされ、虐待やDVの増加、中学生高校生の望まない妊娠の相談数の増加などの報道、本当に心が痛み 気がかりなことばかりです。

 一方私たちの活動も、3月号にたまゆらを発送した時はたぶん大丈夫かなと思いながらも、5月24日に予定していた助産師会との合同例会、村瀬幸浩さんの講演「男子・男性の性を育てる~より幸せな関係づくりのために~」のチラシに、「*コロナ問題での開催の有無については、5月頃に下記のURLに掲載しますのでご確認ください。」の一文を入れ、4月HPに延期を掲載し会員用メーリングリストでもお知らせしましたが、見ていただけたでしょうか?(会員メーリングリスト登録がまだの方はぜひご登録ください。)同封の2020年度年間計画のチラシのように、12月13日(日)に延期し開催の予定です。ぜひおいでください。この助産師会との合同例会の企画も、岐阜性教協としては初めてのことで、今は無事に開催できることを祈るばかりです。
 6月28日に予定の総会も、開催せず、書面で提案し表決いただくほうがいいのではないかということになりました。会員の安全や学校再開後の状況が見通しにくく、会員・幹事教職員の負担軽減などが理由です。会員のみなさまへは、別紙のとおり2019年度活動報告・決算案、2020年度活動方針・予算案などを同封します。活動は年度後半が主になりますが、ご承認いただけませんでしょうか。 
 また既報の毎年楽しみにしている全国夏期セミナーも、7月25日26日鹿児島で開催予定でしたが、みなさまの安心・安全を優先して中止となりました。
 今後も第2、3波などの感染状況や、政府や県の方針が出されるたびに、私たちの活動も滞ったり進んだりすると思いますが、最新情報などを岐阜性教協のホームページにアップしていきますので、見ていただきますようよろしくお願いします。

学校の様子の一部を、公立中学校に勤務する幹事(養護教諭)が報告します。
 3月の一斉休校指示の時は、正直「え?なんで?一斉なの?」と思いながら、校内では今後どうしていくかなど幾度となく会議を開き、学校での対策の知恵を出し合ってきました。そんな中、3月後半に転勤の指示が出てしまい、真っ青になりました。立つ鳥跡を濁さずで、転勤の準備と4月から学校が再開されると仮定した準備と2つのことを同時に進めないといけない現実に気が遠くなりました。また学校へは2月ころから、文科省より分厚い新型コロナ感染症についての文書が届きだしました。読むのも大変な量でした。その後も次から次へと文書は届きました。方針が変わるたびに届くので、何が何だか分からなくなるほどでした。今ではコロナ関係文書だけでA4ファイルに1冊になり、2冊目に突入しています。
 新しい学校に転勤した後、4月7日の入学式までにコロナ対策のための備品がなかなか揃わない焦りを感じました。消毒液もそれを入れる容器も手に入らない、体温計の電池もない、非接触型の体温計もない状態でした。また、消毒液も手指の消毒のアルコール系消毒液と扉の取手、机・椅子、スイッチ類などの消毒液は次亜塩素酸ナトリウムか次亜塩素酸水か?などの意見も分かれ、学校医・学校薬剤師に相談が必要になりました。備品や消毒液の確保のために、学校出入りの業者数社に聞いても手に入らないという返事で途方にくれる時、県内に感染者報告も出てきました。「こんな状態で本当に学校を再開するのか?」準備しながらも、不安で不安で仕方ありませんでした。「今こそ休校の時期ではないか?」と思いました。『内外教育』(時事通信社)を読むと、「必要でないときに休校したから、必要になったとき休校が出来なくなっている」というような文書があり「その通りだ」と思いました。対策備品が揃わないまま学校再開突入かと思っていたら、休校が延長になり本当に安心しました。それから毎日、ホームセンターに開店時間、午後一番、帰宅途中と1日3回通いつめ、必要とする備品が揃ったのは4月20日でした。その時は「バンザーイ」と思わず叫び、職員室で報告したら拍手が起きました。この対策備品は、県立学校と市町村管轄の学校とで大きく違っていると思います。市町村教委によってもまちまちかもしれません。物資の管理面だけでなく、指導管理面でも共通行動・共通理解が必要です。コロナ感染症対策のための養護教諭としての提案文書も、方針が変わるたびに何度も書き直しました。早めに準備したことが裏目に出ることも何度もありました。学校再開に向かい、生徒の安心・安全な学校生活のためには現在も流動的で、校内提案文書を何度も練り直しています。
 飲食店経営の方々が「店を始めるのも地獄、閉めるのも地獄」と言われていますが、本当に学校も同じです。学校がクラスターになることはあってはならないし、ましてや保健室がクラスターになることも避けなければならないのです。長い休校で、児童生徒の心とからだも心配です。学校生活のリズムに乗ってきてくれるだろうか?体調の悪い児童生徒をどう学校で対応していったらよいのか?どのように学校で待機させ家庭へ帰すのか?など、保健室崩壊が起こらないだろうか?という心配もつきません。学校が再開しても、日常生活習慣に戻るまでに時間のかかる児童生徒が想像以上に多い気もしています。そして、もしも感染者が出た時の差別偏見の心配もしています。学校が分散登校から一斉登校になったら、使った机などは何回消毒したらよいか?移動教室の場合の消毒はどうしたらいいのか?給食が始まったら配膳の仕方は?等々考え始めたら心配や不安が尽きない毎日です。

 今HIV等のウイルスも含め、この新型コロナウイルスとも当分共存せざるを得ない状況の中で、ワクチンや治療薬の早期実用化も願いながら、まさに性教協の理念である「科学、人権、自立、共生」の健康教育の重要性を痛感します。偏見や差別は、未知のことや恐怖から生まれるからです。
 また症状が出る前から感染力を持つため本人も自覚できず、遺伝子が変化しそうなこのウイルスは、自国で一時収束ができてもできない国があれば、瞬時にまた世界に拡大していくことでしょう。自国・自分ファーストでは対応不能で、本当に国際的な協力が必要不可欠、国連機関を真に機能させることが大切だと思うのです。
 これまでの多角的な性教育の学びの中で知った、「人類は、強いものが生き残ったのではない。他者を想いやり、連帯し、変化に柔軟に対応できた人々が、生き延びてきた。」という主旨の言葉を思いだします。行動制限や身体的距離をとるよう強いられる社会となり、大災害を伴う気候変動も重なる昨今です。これまでの習慣や経験を根底から見直し、人権を守り、多くの方々とどう連帯していくといいのかを考えながら、歩み続けていきましょう。