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 岐阜県“人間と性”教育研究協議会 (岐阜性教協)
たまゆら2018年6月号巻頭言

「性と生の教育」Sexual Gender教育を!!

 5月の例会で“性と生の教育の井戸端会議~みんなで性教育をどう進めるか考えよう~”と参加者と話し合った。
今、学校で特に義務教育の現場で性教育を実施することが困難な状況にある中、それでも子どもたちに性と生の教育を届けようと取り組んでいる15名の仲間と集えたことがうれしい。性と生の教育を受けないで卒業する子どもたちも多くいるにちがいない。学ぶことで生き方も違ってくる。例え失敗したり、困難に遭っても乗り越える方法を知っていることが大切だ。
 退職した今、私は子どもと直接関わることは殆んどないが、“人間と性”教育文化センターとして連携している岐阜県母親大会や岐阜市女性センターのハートフルネット、岐阜県・岐阜市の人権委員会などで学んだり交流したりする時、「性教育」はもちろん、もっと「生き方教育」にまで広げていく必要があると強く感じている。
 例えば、「いのちの誕生」とか「思春期の心とからだの成長」というように「からだ」を科学的に学んだ上に「いのち」を受け継いだ、ひとりひとりが、どんな力を身につけなければならないか(コミュニケーション能力、人権感覚など)そしてどう生きていくかを考えられる「性と生の教育」であってほしい。
これは今、私たちも改めて学ぼうとしている「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」(UNESCO国連教育科学文化機関がUNAIDS(国際合同エイズ計画)を共同スポンサーとして、とりわけUNFPA(国連人口基金)、WHO(国際保健機関)、UNICEF(国連児童基金)またUNAIDS事務局、そしてセクシュアリティ教育に尽力している世界各国の多数の専門家とそれらの成果によって開発されたもの)の定義であり、性教協が今までずっと大切にしてきた「科学」「人権」「自立」「共生」の理念と一致する。
内容について一部紹介する。

<国際セクシュアリティ教育ガイダンスの定義>
セクシュアリティ教育は、科学的に正確であり、実際的で客観的な情報を提供することによって、年齢に応じて文化に関連させ、性や関係性について教えることである。そしてセクシュアリティの様々な局面に関して、その人自身の価値と態度を探求し、意志決定し、コミュケーションをとり、リスクを削減するためのスキルを獲得する機会を提供する。
(「国際セクシュアリティガイダンス」序論より  季刊セクシュアリティNo.82Jul.2017「ガイダンスを活用した人権教育としての性の学び」より抜粋)
<セクシュアリティ教育の目的>
 子どもや若者が、性的・社会的関係について責任ある選択ができる知識・スキル・価値観を身につけること。
<効果的な実践>
 ① 誤った情報を減らし、正確な知識を増やすこと。
 ②セクシュアリティに関する肯定的な価値観と態度を明らかにし、それを強めること。
 ③正しい情報に基づく意思決定とそれに基づく行動のスキルを高めること。
 ④ピアグループや社会規範についての認識を向上させること。
 ⑤親または信頼できるおとなとのコミュニケーションの促進を可能にすること。
科学的な知識をベースに、社会的な性のあり方を問い、その上でひとりひとりが、どのように行動していくかが、子ども若者を学びの主体として、しっかり押さえられている。

 もう一つ、中学校・高等学校段階での例を挙げると、「月経・妊娠」について科学的に学ぶと同時に、意図しない妊娠を避ける知識と相手との人間関係のあり方も学ぶことが必要であるとしている。また、社会科の公民分野で日本のジェンダー・セクシュアリティ平等が日本国憲法で守られていること。しかし実際にはジェンダーギャップ指数(世界経済フォーラム 2017年発表)が114位であり、女性差別撤廃条約を批准してはいるものの、統括所見で改善すべき点をいくつも指摘されている現状、子ども権利条約の内容についても学ぶことが大切であると考える。

 「性に対する権利」はあらゆる人間が生まれながらにして持っている自由・尊厳・平等に基づく普遍的な人権であるとする「性の人権宣言(1999)」についても取り上げている。
(以上は、「国際セクシュアリティガイダンス」より 又は季刊セクシュアリティNo.65(2014.4)「日本における包括的性教育の手引き(試案)」から抜粋)

 こんなことまで性教育?と思われるかもしれないが、セクシュアリティが社会的・文化的に今生きている社会で、どの位認められているを知り、これから自分がどんな社会で生きていきたいか、その為にできることは何かを考え、行動していくことにつながる教育であってほしい。
 今後も、「性と生の教育」の実現に、性教協と共に活動し続けたいと思っている。