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 岐阜県“人間と性”教育研究協議会 (岐阜性教協)
たまゆら2021年10月号巻頭言

学校の外からみた性教育

 最近は、空前の性教育ブーム。
 今回のブームは、幼児〜小学生の子どもをもつ親さんたちに広がっているなぁと感じています。
 本屋さんでも、幼児を持つ親向けの性教育本が何種類も平積みですし、30〜40代の女性向けのファッション誌で子育ての中の性教育についての特集が取り上げられているほどです。
 気になる書き方としては、こぞって取り上げられるいわゆる「はどめ規定」。学校では、性教育は教えてもらえないから親がしなければという書き振り。
 学校で性教育の必要性を感じて、管理職に直接提案したり、時間を確保したり、他の先生方の理解を得られるよう試行錯誤しながら取り組んできた身としては、「学校は教えてくれない」という表現に、親たちへのあおりというか、学校不信を作っているような気がしてならない。
 そもそも、家で全てのことを教えられるのであれば、学校で教育する必要はないわけで。そして、「子どもの教育」はこの役割の人がするものという発想自体にもモヤモヤしてしまいます。どんな家庭環境の子どもにも同じように一律に教育できるということは公教育の大きなメリット。教師というのは「教え方のプロ」で、自身が習ったことがなくても、ある程度のカリキュラム、指導案さえ準備してあれば、最低限必要な学びを提供できる力を持った人たちだから、この力を借りない手はないのになぁとよく感じていて、同じ意識をもつ議員さんと繋がり、学校に新しい動きを作ろうとしているところです。
 今年に入り、いくつかの幼稚園や学校の母親学級などから性教育の依頼をもらい、親向けや子ども向けの性教育講座をさせてもらっている。
コロナで中止になった講座もあるものの、子ども向けの講座では、緊急事態宣言中でも何とか性教育をしてほしいと定員を超える希望をいただいた。
活動をしている中で感じることは、親さんたちも「性教育は大事なこと」「何とか伝えないと」という意識を強く感じているということ。
 そしていきつくのが「はどめ規定」。学校では命をつくる仕組みは教えてもらえないから、自分たちが性教育しなければという意識。でもどうしたらいいのか分からないというお悩み。もちろん、「自分たちが」と考えるのは大切なことなのだが、伝える必要があることが「命を作る仕組み」だけに囚われてしまっているところも気になる。どうやって教えたらいいのか、そのテクニックを知りたい人が多いということも感じている。確かに5歳までの子どもの80%が「どうやって自分がうまれたのか」自分のルーツを聞くと言われているし、実際に聞かれて答え方に戸惑ったという話はよく聞く。親の「性」の捉え方で、その対応と子どもの受け取り方も違ってくるのだから、親が性を学ぶことも大切だと思う。子どもたちへの教え方を知りたいというニーズで講座に来てくれる親たちの価値観が少しでも変わる講座が必要だと感じているし、そもそも学校が得意とする性教育と親が得意とする性教育は違うし、親と学校以外でもそれぞれが得意な面があって、関わっていけることに気づいて欲しいなぁと感じています。
 以前の性教育ブームで、中心的に性教育してくださった先生方は、年代的に退職され一線を退かれているかたも多い。せっかく積み上げてくださったものを無しにしてはいけないと感じるし、ブームだけで終わらせず、新しい世代の先生方、親さんに繋がるよう仕組み作りが必要だと感じる今日この頃です。